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トルストイの家出

先日NHKで特集されていたのをたまたま見ていた。
 
トルストイの日記とその妻ソフィアの日記を、
田中泯さんと余貴美子さんが朗読していく。
その内容は鬼気迫っていた。
よくここまで克明に残されていたものだと思った。
 
トルストイはもちろんだが、ソフィアの日記から、彼女が大変聡明で
文才があるのがわかる。
ひょっとしたら今の世の中において作家として人気が出るのはこっちじゃないのか・・・と思ってしまうほど。
正直、私はトルストイの著作よりソフィアの著作のが読みたい。
彼女は精神的に病み、その激しいヒステリーと嫉妬深さから
トルストイに忌避されることとなるが
日記の筆運びはいたって冷静に見える。
トルストイの家出後、池に飛び込んだと自ら告げる部分でさえ)
夫婦の間で何度か関係が持ち直されることはあるが、結局は相容れないまま、
トルストイは駅舎で病死することになる。
駅舎の窓の外から夫の様子を伺うも、夫婦の子供たちによっていさめられ
生存中にはついに会わずにそのまま帰っていくソフィアの実際の映像が
痛々しかった。
 

http://book.asahi.com/clip/TKY200702260290.html
 
にもあるが、私もソフィアが悪妻であるとは思えない。
16回妊娠し、そのうち13人を出産して育てたソフィア。
家事育児に奮闘する中、しょっちゅう作家や詩人といった客を呼ぶ夫。
夫の考えで財産を捨て、使用人も少ないときた。
これはかなりきついだろ・・・トルストイがどの程度家事育児に関わってたか知らないけど
まともに向き合っていたらまず理想とか言えないだろうし。
おそらく現実的なしわ寄せの多くがソフィアにきていたように思う。
子供たちのために財産についてちゃんと考えるのは当然のことだ。
男性秘書に対する嫉妬についても、
トルストイも爺さんだし、もうそれくらいいいじゃない」とは、
なかなか簡単には言えない。
13人も生んで育てたのに、結局夫が本当に気持ちを寄せるのは自分ではないなんて、
耐え難いことだったろう。
 
その詰問がトルストイから執拗と捉えられ、嫌悪されるわけだが
トルストイの対応にも常にイラッとさせられる。
「君は病気なのだ。愛してはいるがどうにもできない。自分でどうにかしなさい」とくる。
トルストイは決して嫌悪の感情を筆には明かさない。
しかし確実に妻を嫌悪している。ゆえに家出をしたのだ。
理想を追い求めるものの感情をコントロールしきれていないのは、
むしろトルストイであるように思う。
82歳にして、本当に少年のようというか、なんというか。
 
 
 
私はこの番組は夫と見ていたのだが
夫は、「トルストイは子供っぽいけど、さすがに(ソフィアの愛情は)重いよ・・・」と言った。
うん。まあ、私なら夫が家出したあとに、あてつけで池に飛び込まないだろうな。
夫が同性愛を告白しても、びっくりはするものの嫉妬はしないだろうな。
理想に走る夫を追いかけることに病むほど没頭する前に、
もーいいや、自分の好きなことやろ、みたいな切り替えをしてしまうだろう。
実は年末、ようやくまとまった休みを取れた夫は
家族を置いてひとり(かどーかまだ確認しとらん)サイパンに行くという計画を立てているが、
私はへいへい、どーぞいってらっさいませ、ってな気分でそれを受け止めることができた。
ケッ。どうせ私はマリオWiiのスターコインでもコンプする作業してるさコンチクショー